ようこそ むかいのへ

このフィールドワークを通して、向野の「心と志」を理解して頂けましたら幸いです。

 人は何故、食事の際に「いただきます。」というのでしょう。少し考えてみて下さい。この言葉は、向野地区にフィールドワーク(地区内見学)に来られた方全てに投げかけている言葉です。
 人間が生さていくためには、あらゆる命をもらわなければなりません。野菜・果物といった植物、また魚介類、牛や豚などの動物性タンパワ質もその一つです。向野に在る、羽曳野市立南食ミートセンターは、全国でも有数の食肉生産量を誇り、大阪府民の重要な動物性タンパク質の供給源となっています。しかしながら、「牛殺し」「怖いところ」といった、いわれなき差別を被ることか多々あります。
 ミートセンターで働く人たらは、牛を解体する際今まで飼育した人の思いや、人間のために命を提供してくれる牛に感謝し、絶対に粗末に扱いません。「鳴き声以外は無駄にならない」といった言葉があるように、皮は皮革製品に、血液は化粧品などに用いられ、全ての部分が無駄になりません。牛の命を絶つ仕事ですが、「殺す」とは絶対に言わず、「牛を割る」「さばく」と言います。「殺す」という気持らでは仕事は出来ません。
 「怖いところ」と言われることに関しては、もし仮に、怖い体験があったとしても、それは「個人」の問題であり、向野の住民全員が「怖い」のではありません。他の地域と同様に、いろいろな人か集まり地域社会が形成されます。肉を口にする側は差別されないが、供給する私たちには未だに根強い社会的偏見が存在しています。
 そういった偏見を少しでもなくしていこうと、啓発活動のー環として向野地区ではフィールドワークを全国から受入れています。
日本各地から1ヶ月の間に多い時には、200人から300人ほどの人が訪問されます。このページ『ようこそ』をそのフィールドワークの一端としてこれから、向野へいらっしゃった人々との色々な情報の交換の場としていきたいと思います。